2009-03-19

理不尽な転勤命令

その日の朝、課長に呼び出された早紀は少し緊張していた。
総合職試験を断ってからというもの、なんとなく課長の態度がおかしい。

「来月4月から、君は千葉工場に転勤が決まった。
一般職としてはめずらしいが、決まったことだ。
せめて君の実家の近くにという配慮があって、
千葉になった。
新しい職場でもがんばってくれ。」

そう早口に言うと課長は会議室を出て行った。


確かに千葉工場は早紀の実家から車で30~40分くらいだ。
でも大きなミスをしたわけでもないのに、
東京本社の一般職が工場に転勤になるなんてきいたことがない。
工場は工場採用の一般職がいるはずだ。

きっと会社は早紀が退職届を出すことを望んでいるのだろう。
給料が高くなった早紀を、リストラしたいだけだ。

その夜、早紀は帰って退職届を作った。そして、一晩中泣いた。
なぜ、会社にそんな仕打ちをされなければならなかったのか。
早紀には分からない。

一晩中泣いて、外が明るくなる頃、
ようやく早紀は前向きな気持ちを取り戻していた。

「会社が辞めさせたいのなら、絶対辞めてやらない。
工場でもなんでも行ってやる!」

そう決めた早紀は少しすっきりした気持ちで、カーテンを開けた。
サッと外から明るい光が入ってくる。

昨夜泣きながら書いた退職届を勢いよく、破り捨てる。
「今日は会社に行って、いつもと変わらずに仕事をしよう。
人にどんなうわさをされたって、堂々としていよう。」

鏡をみて、笑ってみる。
「私はわるくない。」

目ははれているけど、上手に笑えた。
早紀は心に誓う。

今は、会社にしがみつこう。
みっともなくても。人になんと言われても。
いつか私が会社を必要としなくなるまで。
胸をはって退職届を出せるまで。

にほんブログ村 OL日記ブログ 30代OLへ
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 働くということ
ジャンル : 就職・お仕事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

iyokan

Author:iyokan
フルタイム(不動産専門職)で働く既婚・子持ち40女。
いつもありがとうございます♪

最新記事
最新コメント
カテゴリ
人気記事
ブログパーツ
ブログ村30代OL


にほんブログ村 OL日記ブログ 30代OLへ
にほんブログ村
FC2カウンター
閲覧中♪
現在の閲覧者数:
F2ブログ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ村30代OL
QR