2009-06-02

1週間の恋

金曜日の美術館は、
ゆったりとした時が流れている。
会社帰りのサラリーマンも学生も
きっと明日は休みなんだろう。
こころなしか表情が明るい。

そんな中、一枚の画を観る美紀。
「この画がお好きなんですね。」
と美術館係員が声をかける。

美術館の係員に声をかけられるなんて
めったにあることではない。
でも、美紀はその声を待っていた。
彼に会いたくて、一週間。
彼の笑顔がずっと頭から離れなかった。
ああ、やっと彼に会えた。

遠くから視線を感じる。
美紀より少し年上の40代くらいの女性。
品のいい服をきて、
いいところの奥様といった感じ。
その隣には小学生くらいの女の子。

女性と目があうと、向こうが会釈した。
こちらもあわてて頭を下げる。

「あ、すみません。」
少しあわてた様子の彼。

「ごゆっくりお楽しみください。」と言って、
彼は彼女たちの方へと去って行った。

奥さんと子供だろうか。何だか幸せそう。
このあと、彼が仕事からあがるのを待って
家族で食事でもするのだろうか。

彼のあの温かい笑顔の裏には、
温かい家庭があった。
40にもなれば結婚していない方がおかしい。

頭では分かっていたはずなのに、
美紀はそのあとどうやって家に帰ったのか覚えていない。

彼とどうなりたいとか思っていたわけではない。
まだ何も始まってもいない。
それなのに、このショックはなんだろう。

「やっぱりね」と思いながらも、
うきうきしていた自分が情けない。
私の気持ちを知っている人は誰もいない。
大丈夫。
でも、ばかみたい・・・。
涙が出てくる。

関連記事
スポンサーサイト


テーマ : 大人の恋愛
ジャンル : 恋愛

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

iyokan

Author:iyokan
フルタイム(不動産専門職)で働く既婚・子持ち40女。
いつもありがとうございます♪

最新記事
最新コメント
カテゴリ
人気記事
ブログパーツ
ブログ村30代OL


にほんブログ村 OL日記ブログ 30代OLへ
にほんブログ村
FC2カウンター
閲覧中♪
現在の閲覧者数:
F2ブログ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ村30代OL
QR